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レッドブルのマーケティング成功のカギは、ブランド構築にあり!
商品のマーケティングが成功する際、必ずと言っていいほどブランディングのうまさがあります。
具体的な例としては、2021年に世界で累計98億400万本を売り上げたエナジードリンクのレッドブルが挙げられます。
レッドブルは1978年にオーストリアで誕生し、日本には2005年と比較的最近参入しました。レッドブルが消費者へ発するメッセージは、商品の成分や効果ではありません。TVCMでもおなじみのキャッチコピーの「レッドブル、翼を授ける」。これだけです。
このような結果は、レッドブルがブランディングに注力し、ターゲティングとポジショニングを明確化できた証拠です。「若者」をターゲットにブランドを展開することで、レッドブルは他社ブランドと自社ブランドとの違いを消費者に強く印象付けることに成功しました。そのため、シンプルなメッセージでも十分に消費者を惹きつけることができるのです。
今回の記事では、商品のブランドを構築するために必要な手順を6つのステップに分けて紹介します。ブランディングを進める際のご参考になさってください。
ブランドとは?ブランディングの重要性
ブランドとは、消費者が自社と他社との違いを区別するために欠かせないものです。競合他社の中から消費者に自社商品を選んでもらうには、多くの時間と労力を費やしてでもブランディングに取り組む必要があります。
ブランドにはその企業独自の要素すべてが含まれ、たとえば以下が挙げられます。
- オリジナルのロゴ
- ミッションステートメント
- 価値観
- ブランドメッセージ
- ブランドカラー
視覚的、および非視覚的なすべての要素が一緒になり、ブランドとして企業のアイデンティティを形成します。また、上記の要素を通して消費者に他では体験できない価値を提供することで、新しい顧客関係の醸成にもつながります。
ブランディングをスタートする6つのステップ
ブランディングは、以下の6つのステップで進めましょう。
- ターゲットオーディエンスと競合他社の調査
- ブランドの目的とミッションステートメントの定義
- ブランドパーソナリティの作成
- 現実的な目的と目標の設定
- ブランドアイデンティティの確立
- ブランドの統合
順番にくわしい手法を解説します。
ステップ1.ターゲットオーディエンスと競合他社の調査
ブランド構築を考えるときには、まずブランドの広告やメッセージを届けたいターゲットオーディエンスを調査して、ペルソナ(具体的なターゲット像)を設定しましょう。
主要な消費者の購買傾向や商品に対する認識などが理解できるよう、大規模な消費者調査を実施します。また、並行して、潜在顧客に対してアピールできるブランドのメリットの追求も必要です。
さらに、競合他社だけでなく、そのブランドに関係するさまざまな企業の情報を集めましょう。他社について調べることで、潜在顧客にリーチするより良い方法を判断でき、業界で成功した、または成功しなかったブランディングの傾向の分析もできます。
なお、ペルソナを設定するため、これらの調査は以下の点を念頭に置きながら進めましょう。
調査においては、ECサイトの購入者情報のほか、年齢・性別におけるメルマガの開封率、SEO対策キーワードにおける検索結果、他社の広告クリエィティブなどを役立ててみてください。
▼競合調査のチェックポイント
- 購買意欲を促しやすいターゲットオーディエンスは?
- 購買意欲を促しにくいターゲットオーディエンスは?
- ターゲットオーディエンスは自分自身をどのように表現しているか?
- ターゲットオーディエンスは何に興味があるか?
- 競合他社はどこか?
ステップ2.ブランドの目的とミッションステートメントの定義
調査の次は、ブランドの目的を定義します。目的を明確にすることで、同じ目的を達成したいターゲットオーディエンスとつながることができます。目的を定義するには、ブランドが誕生した経緯や現在の運営状況、今後数年間でブランドをどうしたいのかを考えてみましょう。
消費者にブランドの目的を伝えるには、以下の質問に答えられるミッションステータスを確立する必要があります。ミッションステートメントとは社訓や企業理念にあたるもので、ブランドの価値観をあらわすものです。
▼ブランドの目的を定義するうえでのチェックポイント
- 自社ブランドと他社ブランドの違いは何か?
- どのようなサービスを提供するのか?
- 自社ブランドは何を果たすために存在するのか?
- なぜ消費者は自社ブランドと関わる価値があるのか?
ステップ3.ブランドパーソナリティの作成
ブランドパーソナリティとは、ブランド独自の要素を人格や個性として表現したもののことです。たとえば、高品質な商品と独自性が強みである高級ファッションブランドの場合、広告では洗練されたモデルや上品な言葉遣い、落ち着いた声のナレーションなどを通して、ブランドの個性を表現します。
ブランドパーソナリティを作成することで、ブランドに命を吹き込む魅力的なストーリーが生まれます。
ブランドパーソナリティを作成するには、まずはブランドの特徴と、消費者に伝えたいことについてブレストを行います。 消費者がブランドの個性を理解できるよう、市場でのブランドのポジショニングについて考え、ブランドの独自性を構成する要素は絞り込みましょう。
ステップ4.現実的な目的と目標の設定
ブランドの成功を測定し、一貫性を維持するためには、ブランドの目的と目標の設定が必要です。ブランドの構築過程でアイデアや情報を収集するときは、集める内容がブランドの目的に沿っており、調査方法自体が適切かどうかに気をつけましょう。
ブランドの目的を整理するには、ブランドやターゲットオーディエンスが満たせる現実的な目標の設定が有効です。現実的な目標があることで、現在のブランドのフェーズやビジョンまでのプロセスを把握することができます。
ステップ5.ブランドアイデンティティの確立
ブランドを構築するうえで非常に重要なステップのひとつは、ブランドアイデンティティを確立することです。ブランドアイデンティティとは、ブランドが世界に向けて自身をどのように表現したいのか、どのように認識してほしいのかをあらわしたものと言い換えられます。
ブランドアイデンティティを確立する際は、以下の要素に着目して、ターゲットオーディエンスが他社ブランドと自社ブランドを視覚的に見分けられるものになるよう意識しましょう。
▼ブランドアイデンティティの例
- ロゴ・アイコン
- フォント・タイポグラフィ
- ブランドメッセージ
- ブランドカラー
- オリジナル画像
これらを考えるときは、ステップ3やステップ4で設定したブランドの個性や目標と一貫しているかどうかに注意しましょう。
ステップ6.ブランドの実装
ステップ6では、上記の5つのステップで得たブランディング要素を統合し、実装します。
ブランディングの実装とは、オンラインとオフライン両方のプラットフォームにブランドを適用することを意味します。デジタルが当たり前になった今日では、どのプラットフォームでも、ターゲットオーディエンスが簡単にブランドを識別できるようにすることが重要です。
ここで役立つのがブランドアイデンティティです。ロゴやフォント、オリジナル画像を用いて、広告が表示されるたびに自社ブランドをはっきりと認識してもらえるような工夫をしましょう。
また、ブランドの専用ウェブサイトを作成することも大切です。ターゲットオーディエンスの疑問にすべて答えられるよう、ブランドの目的やパーソナリティ、アイデンティティをふまえたサイトを作成してみてください。
まとめ
ブランディングは、市場にあふれる多数の商品の中から自社商品を消費者に選んでもらうために欠かせない戦略です。今回紹介した6つのステップを参考に、自社商品のブランドを構築してみてください。
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この記事は、Digital Agency Networkに掲載された「The Ultimate Guide on How to Start a Brand」を翻訳し、一部リライトした内容です。
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