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GA4が使いにくく、今後が不安ではありませんか?
Google社が提供しているサイト解析ツール「Googleアナリティクス」のおかげで、Webサイトのアクセス状況の分析や、分析結果に基づいたサイトの改善が簡単にできるようになりました。
Googleアナリティクスは、現在「ユニバーサルアナリティクス(以下、UA)」をご活用いただいている企業が大半でしょう。しかし、2023年7月1日にUAのサポートが終了してしまうことを知っているでしょうか。
次世代のアナリティクスである「Googleアナリティクス4プロパティ(以下、GA4)」では、Webサイトとスマホアプリの両方を分析できます。しかし、Webサイトの訪問者数やセッション数はUAと計測方法が異なります。
2022年4月末にSEM Technologyが行った調査によると、上場企業の導入率は19%となり、6月の調査では25%まで上昇しています。
しかしながら、Googleアナリティクス解析の第一人者である、株式会社HAPPY ANALYTICS 代表取締役 小川 卓 氏がセミナー受講者を対象に行ったアンケートでは、以下のような回答となっています。
・「導入済みで使っている」が11%
・「導入したが使っていない」が53%
・「未導入」が36%
導入したもののGA4を使いこなしている企業は多くないのが実態のようです。
また、GA4はすべての企業にとってWebサイトの分析に適しているツールとは言えず、Googleアナリティクスに代わるアクセス解析ツールを検討するタイミングといえるでしょう。
今回は、Googleアナリティクスの代替となるツールを無料・有料合わせて8つ紹介します。UAのサポート終了後も使用できるアクセス解析ツールをご参考になさってください。
【無料】Googleアナリティクスの代替ツール
こちらでは、無料で使えるGoogleアナリティクスの代替ツールを4つ紹介します。
StatCounter
StarCounterは、1999年に開発された歴史のあるWebトラフィック解析ツールです。ユーザーインターフェースは非常にシンプルで少し古い印象を受けますが、ユーザーがどのようにしてサイトを訪れたのか、人気のページはどれか、アクセスのきっかけとなったキーワードは何かなど、Webサイトの分析に必要なデータはすべて提供してくれます。
StatCounterには「Growth Plan」というツールがあり、 トラフィックデータを深く分析し、売上の増加を達成するために必要な戦略を立案するサポートをしてくれます。ただし、「Growth Plan」の使用には有料プランへのアップグレードが必要です。
また、「Industry Rankings」では、トラフィックやSNS、ユーザーエクスペリエンスなどを競合他社と比較できます。
StatCounterは秀逸な分析ツールではないものの、無料なので試してみる価値はあるでしょう。
Open Web Analytics
Open Web AnalyticsはオープンソースのWeb分析ソフトウェアです。ユーザーインターフェースは2013年ごろのGoogle Analyticsに似ています。無料で利用できるにもかかわらず機能が豊富で、コンバージョンファネルの数段階の目標を追跡でき、複数の要素でフィルタリングされた統計やヒートマップの提供、ユーザーのカーソルの動きのトラッキングも可能です。
「Custom Variables」という機能を利用すると、PV数やセッション数、クリック数など、トラッキングしたい項目を最大5つ選択して保存できます。
Open Web Analyticsのデメリットはあまり頻繁に更新されていない点です。とはいえ、実用的な機能の多さは評価できるでしょう。
Woopra
Woopraは、カスタマージャーニー分析に便利なツールです。ツール自体は非常にわかりやすいつくりで、使いこなすために専門的な知識は一切必要ありません。50以上の主要なマーケティングプラットフォームやサービスとも連携できます。
Woopraはタッチポイントの分析に優れており、CTAボタンやメールマガジン登録のクリック率、ライブチャットのエンゲージメントデータなどの情報を収集できるため、カスタマージャーニーの各ステージの最適化に活用できます。
Woopraの無料版では、最大500,000個のアクションを実行でき、90日間データを保存可能です。
Leadfeeder
Leadfeederは、BtoBのマーケティングに役立つWebサイト分析ツールです。自社のWebサイトを訪れた企業を追跡・モニタリングできます。また、GoogleデータポータルやMailchimp(メールチンプ)などのツールとの連携も可能です。
Leadfeederは直感的なインターフェースでデザインされており、数時間で使い方の基本を習得できます。集めたデータは視覚的にわかりやすいよう表示してくれるので、一目でユーザーの行動パターンの特定が可能です。
無料版は100社までしかモニタリングできませんが、中小企業のマーケティング担当者は、Googleアナリティクスの代替品として検討してみてください。
【有料】Googleアナリティクスの代替ツール
ここからは、有料のGoogleアナリティクスの代替ツールを4つ紹介します。
Crazy Egg
Crazy Eggではユーザーのサイト内の回遊状況をリアルタイムで確認でき、ユーザーがどこをクリックしたのか、ページがどれくらいスクロールされているのかを追跡可能です。
Crazy Eggはユーザーのさまざまな動きを可視化してくれるため、CTAボタンの位置やテキストの配置など、サイトデザインの改善すべき点を明快に理解できます。また、A/Bテストの実施もでき、検証したい2つの要素を選んで比較し、よりコンバージョン率の高いアイデアを採用するのに役立ちます。
Webサイトにアクセスした瞬間からセッションを終了するまでのユーザーの細かい動きを分析できるので、サイトデザインの改善を考えているならぜひ導入してみてください。
Kissmetrics
Kissmetricsは、特に「Customer Engagement Automation」という機能を通じて、新規顧客の獲得や維持をサポートしてくれます。見込み顧客から既存顧客までそれぞれの顧客の特徴を分析でき、どのようなユーザーがコンバージョンしやすいのか、セールスファネル(※)から離脱してしまうのはどのようなユーザーかを明らかにできます。
特に便利な機能は「Click to Track」というツールで、イベント(PVや離脱クリック数など)や目標の作成を手軽にするものです。設定にコーディングは不要です。
コンバージョン率やセールスファネルの最適化に優先して取り組みたい場合は、Kissmetricsを使ってみてください。
※セールスファネルとは
潜在顧客が商材を購入に至るまでのプロセスのこと。認知・興味・比較検討・購入までの各ステップに分け、上の層から順に各段階に分類した顧客数が少なく絞られていく形状がファネル(漏斗)のようであることから、名づけられたマーケティングのステップのひとつです。
Adobe Analytics
Adobe Analyticsは、アトリビューション分析におすすめのツールです。ルールベースモデルおよびアルゴリズムモデルによるアトリビューション分析ができるため、もっとも効果的なデジタルマーケティング戦略の立案に役立ちます。
Adobe Analyticsでは、Webサイトや音声データ、コネクテッドカーなどの複数のデジタルソースからデータを収集できます。さらに、ロイヤルティプログラムなどのオフラインのデータの統合も可能です。
利用には月額100万円程度かかるため、気軽に使えるツールではありませんが、オンライン・オフラインともに豊富なデータを提供してくれます。
Heap
Heapの最大の特徴は、ユーザーフレンドリーさにあります。特別専門的な知識やスキルがなくても、Webサイト上でのユーザーの行動の追跡を簡単に設定できます。初回ログイン後には自社独自のニーズに基づいてレポートが作れるよう設定方法を案内してくれるので、実用的なデータの収集が可能です。
Heapでは、Web サイト上のイベントを自動的に追跡し、もっとも頻繁に実行されるイベントをリスト化します。そのため、サイト上で促すべきユーザーの行動を特定可能です。
操作方法は、サイト上にトラッキングコードをインストールしなければいけない点を除いて、Kissmetricsに似ています。HeapはGoogleアナリティクスよりも操作がシンプルなので、使いやすさを重視されている場合におすすめです。
まとめ
Googleアナリティクスの代わりに使えるアクセス解析ツールを8つ紹介しました。2023年7月1日に現行のGoogleアナリティクスのサポートが終了します。今回紹介した8つを参考に、自社のWebサイトの分析に適した代替ツールを探してみてください。
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この記事は、Digital Marketing Instituteに掲載された「What Are Some of the Best Alternatives to Google Analytics?」を翻訳した内容です。
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