コラム デジタルマーケティング

GA4の7大特徴から解説│UA(ユニバーサルアナリティクス)との違いは?

2005年に第1世代のGoogleアナリティクスがリリースされてから、2023年現在で18年が経ちます。DataSignが2022年12月29日に実施した調査によれば、上場企業3,775社のうち91.2%の企業がコーポレートサイトの分析にGoogleアナリティクスを利用しています。Googleアナリティクスはデジタルマーケティングにおいて必須のツールであり、GAの活用はユーザーを理解し事業を成功させるためのカギとなっています。

2023年7月1日には第3世代である「ユニバーサルアナリティクス(以下、UA)」のサポートが終了しますので、2023年6月末までに第4世代の「Googleアナリティクス4プロパティ(以下、GA4)」への移行が必要です。しかし、GA4の特徴をまだ理解されていない方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、UAと比較した場合に重要なGA4の特徴を7つ解説します。GA4を使ってウェブサイトを分析する際にお役立てください。

GA4の重要な特徴7つ

GA4の特徴の中でも特に把握しておくべき特徴は、以下の7つです。

  • プライバシーとクッキー
  • イベントベースの分析
  • 横断的な分析
  • 「エンゲージメント」の追加
  • 流入経路の高度な分析
  • コンバージョン
  • インターフェース

プライバシーとクッキー

GA4はUAよりもプライバシーに配慮しており、 IPアドレスを保存しません。これは、ユーザーの個人情報保護の観点において大きな変更点です。また、UAでは半永久的に保存可能だったアクセス解析データの保存期間が、最大14ヶ月までに変更されています。

さらに、データプライバシーの規制の高まりに合わせ、GA4はUAほどCookieによる情報収集に依存していません。GA4は主に機械学習モデルによりデータを補い、ユーザーの行動を分析して将来の経済活動と収益を予測します。

機械学習モデルを活用することは、オンラインとアプリ両方のデータを使った分析を可能にします。したがって、マーケティング担当者は、特定のユーザーの初回訪問からコンバージョンまでのカスタマージャーニーをより細かく分析できるようになります。

イベントベースの分析

GA4は、セッション(訪問数)ではなくイベント(行動)を分析してサイトやアプリとユーザーとのやり取りを測定します。

セッションとは、ユーザーが特定の期間において実施するすべての行動を指す包括的な用語です。リンクのクリックも、高価な買い物も、同じ「セッション」という言葉であらわされます。
※UAでもイベントトラッキングタグを設置した場合は、イベントとして計測できます

UAがセッションを中心に計測する 一方、GA4はウェブサイトでの購入やクリック、コメントなど、ユーザーが起こす1つひとつのイベントをベースとして計測します。

セッションではなくイベントを追跡することで、より詳細なユーザーデータを取得でき、マーケティング戦略の微調整や売上向上 のアイデア出しに役立ちます。GA4では、ユーザーのすべての行動をカスタマージャーニーにおける重要なデータとして集計するのです。

イベントベースでの分析は、アクティブユーザーに絞ったアクセス解析を実現します。アクティブユーザーの行動分析に集中することで、より精度の高い顧客ライフサイクル(※)のモニターもできるようになります。

※顧客ライフサイクルとは

顧客ライフサイクルとは、顧客がある商品をまったく知らない状態から、購入、そして継続的な顧客になるまで(または離脱するまで)の段階を示したものです。「商品の認知」「検討(他商品との比較や口コミの閲覧)」などの段階があります。

横断的な分析

GA4ではスマートフォンやタブレット、PCなど、さまざまなデバイスから情報を収集できるため、複数のデバイスを利用しているユーザーの行動を横断的に分析できます。また、GA4にはAI予測と機械学習モデルが組み込まれており、イベントベースのデータをもとにユーザーの次の行動を予測します。

複数のデバイスからイベントベースでユーザーを分析することで、詳細なカスタマージャーニーの作成ができ、ユーザー目線のサイト作成が可能になります。

「エンゲージメント」の追加

GA4では「エンゲージメント」という指標が新たに追加されました。GA4ではエンゲージメントを「サイトやアプリでのユーザーの操作」と定義しており、リンクへのクリックやページのスクロールなどが該当します。

また、エンゲージメント率は、すべてのセッションのうちエンゲージメントのあったセッションの数を意味しており、以下の式で計算されます。

エンゲージメント率(%)= エンゲージメントのあったセッション数/すべてのセッション数

GA4においてエンゲージメントのあったセッション数にカウントされる基準のひとつは、ウェブサイトの10秒以上の閲覧です。ユーザーがサイトに訪問後すぐに離脱した(直帰した)場合はカウントされないので、サイトを改善するためにより有益な情報を提供してくれます。

ほかには、ページビューまたはスクリーンビューが2回以上あった場合や、コンバージョンイベントが発生した場合もエンゲージメントとしてカウントされます。

GA4のエンゲージメントでは、ページをスクロールするだけでときどき何かをクリックするユーザーと、数分おきに「お気に入り登録」や「商品の購入」をするユーザーとの違いを示すデータを収集できます。これにより、カスタマージャーニーをよりよく把握したうえでの実質的なマーケティング施策を実行できます。

流入経路の高度な分析

商品やサービスを購入するとき、多くのユーザーは最初にアクセスしたサイトですぐ購入するのではなく、InstagramなどのSNSやnoteなどのブログ、YouTubeやTikTokの動画を参考にしたり、さまざまな商品比較記事を読んだりしてから購入を決めます。商品とはまったく関係のないサイトに表示されたポップアップ広告からECサイトに誘導されて、購入することもあるでしょう。

UAとGA4はどちらも「参照元 / メディア」でユーザーの流入経路を分析できますが、GA4のほうが高度な分析ができます。また、「経路データ探索」によりツリーグラフでユーザーの動きを把握でき、ユーザーがコンバージョンまでの過程で実行、または離脱したステップの追跡が可能です。

コンバージョン

UAでは、1回のセッションで何度目標を達成してもコンバージョンは「1」でした。一方、GA4では1回のセッションで複数回のコンバージョンがあれば、その都度カウントします。つまり、目標を「資料ダウンロード」としており、ユーザーが1回のセッションで2回資料をダウンロードした場合のコンバージョンは、UAでは「1」、GA4では「2」となります。

インターフェース

GA4のインターフェースはUAに比べるとシンプルです。UAでは利用可能なすべての指標が表示されていましたが、GA4では不要なデータが除かれているため、マーケティング担当者はこれまでより容易に絞り込まれた重要なデータを分析できます。

重要なトレンドやデータの異常を認識しやすくなったため、マーケティング戦略の軌道修正も簡単になったといえるでしょう。

まとめ

GA4の特徴をUAとの違いを中心に紹介しました。イベントベースへの変更や新たな指標の追加など、UAと異なる点に注意しながら自社サイトを分析してみてください。

---------

この記事は、Digital Marketing Instituteに掲載された「Google Analytics 4 vs. Universal Analytics: Making the Transition」を翻訳した内容です。

---------

-コラム, デジタルマーケティング
-

Copyright © PlusCV inc. , All Rights Reserved.