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CSR活動をSNSで発信すると気に抑えておきたい秘訣とは?
SDGs活動がビジネスでも重要なキーとなっている昨今、ブランディングの一貫としてBtoCをターゲットとする企業を中心として、SNSでCSR活動をアピールしたいと考える会社が増えてきました。
それもそのはず、ICT総研が実施した2022年度 SNS利用動向に関する調査によると、日本のSNS利用者は8,270万人(普及率82%)となり、2024年末に8,388万人へ拡大する見通しだという見解が発表されています(表1参照)。
しかし、単にCSR活動を報告するだけではフォロワーに興味を持ってもらえず、SNS上でのいいね!やシェア、サイトへの遷移といったポジティブなアクションにつながりません。CSR活動を企業ブランディングに活かすには、アピールの仕方に工夫が必要です。
今回の記事では、SNSでCSR活動を効果的にアピールするためのコツを8つ紹介します。フォロワーに自社の取り組みを知ってもらい、企業イメージアップ、ひいては未来の顧客となるユーザーとのエンゲージメント向上を目指しましょう。
1.行動とリアクションを促す
CSR活動に関する投稿では、ユーザーの行動を促すような内容を心がけましょう。
多くの人がSNSを利用する今日、ブランディングのためにSNSでCSR活動をアピールするのはとても効果的です。しかし、ただ活動内容を説明するだけではインパクトが足りません。フォロワーの印象に残る内容にするには、共感いただける方にをシェアお願いしたり、支援を促したり、最低でも「いいね」などのリアクションを獲得する必要があります。
たとえば、地球に優しいクリーニング製品を製造するECOSは、Instagramで毎日のコーヒーの作り方を変えればどのようにサステナビリティに貢献できるかについて投稿しました。単に自分たちの活動内容を報告するのではなく、フォロワー自身がサステナビリティな社会実現のためにできる機会を提供し、行動を促しています。
「自社が社会のために何をしているか」だけではなく、「フォロワー自身が社会のためにできること」についての内容も投稿してみましょう。
2.威圧的にならないよう注意する
継続的にCSRに取り組むことはもちろん重要ですが、社会的メッセージの強い内容を連投すると威圧感が出てしまいます。しかし、CSR関係の投稿を減らしすぎると真剣さが伝わらないのも事実です。
バランスよくCSR活動をアピールするには、SNSのアカウントや投稿全体を通して、いかに企業の価値観を反映するかが大切になります。
価値観の反映が上手な企業にNikeがあります。NikeはTwitterのプロフィールに「#BlackLivesMatter(黒人の命を軽視するな)」と「#StopAsianHate(アジア人差別をやめろ)」しか記載していません。
投稿内容はスポーツ選手や新しい製品、スポーツの歴史などが中心ですが、この2つのハッシュタグのみのシンプルなプロフィールから、Nikeが人権問題を真剣に考えていることは明らかです。
CSRに直接関係のある内容を投稿しなくても、工夫次第で企業の姿勢をアピールできるのです。
3.変化の中心となる
世間で話題になっている社会的問題すべてを自社のCSR活動と結びつける必要はありません。ただし、本当に「変化」が必要であると判断したときは、活動の中心的存在となれるようにはっきりと行動を起こしましょう。
2020年、「#StopHateforProfit(金儲けのためのヘイトを止めろ)」というハッシュタグが使われ、企業にFacebookでのWeb広告出稿をボイコットするよう求める動きがありました。Facebookの情報操作やヘイトスピーチに対する姿勢への抗議活動です。
最初こそ小さな企業が中心の小規模な抗議活動だったものの、AdidasやNorth Face、Diageoなどの大企業もこのボイコットに加わり、最終的にFacebookに変革をもたらすこととなりました。
すべての問題に関わる必要はありませんが、自社や業界にとって重要な社会問題だと判断したときは積極的に参加しましょう。
4.ストーリーを伝える
端的なメッセージではなく、ストーリーを伝えることは、人々の共感を集めて自社の発信内容に興味を持ってもらうきっかけとなります。
たとえば、地元のボランティア活動を支援した報告だけでは、誰も興味を持って読んでくれないかもしれません。しかし、それらの活動によって救われた人や、その家族のインタビューを投稿すれば、感動したフォロワーからのリアクションを期待できるでしょう。
クッキーブランドのOREOは、ストーリーを伝えることで大きな反響を呼んだ企業の例です。OREOはLGBTQ+を支援するPFLAGという団体とパートナーシップを結び、「OREO Proud Parent」という動画を投稿しました。動画では、娘が同性パートナーを連れて実家に帰ってきたときの家族のとまどいと受容を描いています。
動画の内容は、OREOの「家族を結びつける」という企業理念を反映したものです。単に「私たちは企業理念に基づき、LGBTQ+の人々やその家族を応援します」と投稿するよりも共感を集める内容であり、動画は200万回近く再生されています。
https://www.youtube.com/watch?v=EpfLklSG2dQ
5.時には個人的な経験を伝える
消費者が企業のCSRを評価する際、重視されるべきはPRの仕方ではなく、実際の活動内容であるべきです。しかし、時には個人的な経験が人々の心を動かすこともあります。
アルコール飲料を扱うフランスのPernod Ricard社は、2020年に北米の新しいCEOとしてAnn Mukherjee氏を起用しました。彼女はあるインタビューで、酒に酔った男に襲われた経験があること、飲酒運転による事故で母親が亡くなったことを明らかにしています。
アルコールを扱う会社の経営者が、アルコールによるつらい経験を世間に明かしているのです。経営者なら、普通はこのような個人的な話を社会にシェアするのはためらうでしょう。
しかし彼女のこの告白により、「アルコールの乱用と闘い、責任ある飲酒を促進する」という同社のさまざまな取り組みの真剣さが、より強く深くユーザーに伝わるのです。
経営とは無関係な個人的な経験は、時にCSR活動の印象をより誠実なものにしてくれることもあるのです。
6.同じミッションを持つ他団体の投稿をシェアする
自社の取り組みを投稿するだけでなく、同じ価値観やミッションを持つNPOや他企業の投稿もシェアしましょう。これにより、自社をアピールするために社会的問題を利用しているのではなく、本当に関心があることをフォロワーに提示できます。
アウトドアウェアを販売するPatagoniaは、環境保護活動に注力しています。同社は自社に関する内容のほかに、環境保護団体の活動やイベントの告知も投稿しています。
価値観が同じ団体があればフォローし、シェアや「いいね」してみましょう。
7.NPOと連携する
SNSでのPRも大切ですが、ユーザーが本当に気にしているのはSNSの内容ではなく、実際のアクションです。CSR活動への取り組みに対する誠実さを証明するには、NPOとの連携が適しています。
連携するNPOを選ぶときは、団体の知名度や規模ではなく、価値観に着目しましょう。地元でしか活動していない小さな団体のほうが、むしろ地域住民に大きな影響を与える場合もあります。
アウトドア用品を扱うNorth Faceは、乳がんの啓発活動をしているNPOと15年以上連携しています。目的は、同団体の健康と回復のための活動をアウトドアの面から支援することです。
乳がんの早期発見を願うシンボルマークがピンクリボンであることから、同団体への資金提供のため、ピンクをテーマにしたアウトドアウェアを作成・販売しています。
自社のCSR活動に近い活動をしている団体があれば、積極的に連携を申し出てみてください。
8.炎上にそなえる
社会問題はセンシティブな話題であり、常に炎上する可能性をはらんでいます。最近の例では、2022年10月11日、 「国際カミングアウトデー」にちなんで投稿した多数の企業のSNSが炎上してしまいました。
世間から否定的なリアクションが返ってきたときは、火に油を注ぐことがないよう慎重に行動しなければいけません。すばやい対応は大切ですが、焦ってよく考えずに謝罪文を出してしまうと、余計に批判されてしまうこともあります。
万が一の炎上に備えて、メディアへの対応に詳しい広報担当者やコンサルタントを用意しておきましょう。
まとめ
SNSでCSR活動について投稿する際は、フォロワーの行動を促したり、ストーリーを伝えるような投稿を意識したりすると、より効果的なPRとなります。今回紹介した8つのコツを参考に、CSR活動を企業ブランディングに活かしてみてください。
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この記事は、DAN | Digital Agency Networkに掲載された「8 Ways To Promote Corporate Social Responsibility On Social Media」を翻訳した内容です。
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